浅く優しい海を漂っていた。 追尾2.0-1*E-side
「ん…」 高く昇った太陽はエドワードに眩しく照りつける。 浅い眠りに落ちていたエドワードの目を覚まさせるにはそれは充分なほどだった。 温かみを求めて手を伸ばすも、手に入ったのは冷たいシーツの感触のみ。 隣にいたはずのロイの姿が見当たらず、不安になってエドワードは裸足のままでベットから出て行った。 ペタペタと廊下を歩き、リビングを目指す。 まだ完全に目の覚めていない頭で時間の事をぼんやりと考えるも、陽の高さから昼に近い事が分かっただけだ。そもそも寝室に時計は無い。 ガチャ、とドアノブに手をかけ扉を開く。 開けた先には光が満ちていた。 「…ロイ?」 ここにいるのか、と室内に目を配っても家の主人の姿は見つけることが出来なかった。 「兄さん、起きてたんだ。」 代わりに姿をあらわしたのはアルフォンス。 「アル?」 居る筈の無い人物にエドワードが不思議そうに目を瞬かせる。 その兄の仕草に苦笑を返して、アルフォンスは、まぁ、座りなよ兄さん。とイスを示した。 「大佐から連絡があって、大佐が仕事に行くから、兄さんの様子を見にね。」 はい、と言葉と共にアルフォンスが紅茶を机の上に置く。 紅茶の隣に出されていた朝食に手を付けながらエドワードは納得をしたように、なるほどと頷いた。 「それで、兄さんの目が覚めたら遅くなっても良いから司令部のほうに来るように言われてるけど、…今から行く?」 口に入れたものを紅茶で一気に嚥下し、 「行く。」 背凭れに掛けていた赤いコートを羽織ながらエドワードは立ち上がった。 -------------------- とりあえずエドサイド。 あと一話続くような気もします。後は軍部サイドか... 2.0は何気に長いような気がします。気のせいである事を願ってます。 「追尾」の特徴は一話一話が短い事ですかね(ハハハ…/笑えねぇ) |