「よぉ。」
片手を上げていつも通りにされる挨拶には、しかし常の気丈さはどこにも見当たらなかった。








追尾1.5-2









エドワードと共に執務室に入ってきたアルフォンスにロイは目配せをする。
ロイの視線を受け、アルフォンスは小さくお辞儀をして静かに部屋から出て行った。


「鋼の。」
ロイの声にエドワードの肩が小さく揺れる。

「大、佐…。」
見上げる瞳、呟かれた声。どちらも酷く弱々しかった。


縋りつくような瞳に、ロイは一瞬何があったのかとエドワードに詰問したくなる。
だが今はそれは得策ではない。

「何があったのかね?」
「…何も、無い。」
「下手な嘘はつくものではないよ。ただ、見られていると言うだけで君がこうなるとも思えないのだがね。」

エドワードは視線を落とした。
「…何があったのか、教えてはくれないかい?」
声は、優しく響きそして。

「…今、ここじゃ言いたくない。」
エドワードは俯いたまま言う。


「だから、今晩あんたの家行ってもいいか?」


予想外の言葉にロイは目を皿にした。

「………。」
「あんたが嫌なら、行かないけど…。」

沈黙に不安になったエドワードの言葉にロイはまさか、と笑った。

「待っているよ。」

頭をなでながらのロイの言葉にエドはこくり、と頷いた。













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1.5-2です(中途半端だなぁ)
次回、行為は入りませんっ!!(誰に言ってんのさ)
ある人に書け書け脅されてます。書けんっちゅーねん。
そして次は番外です。ロイとエドから離れます。