[曼珠沙華]

敢えて何も語りませぬ。

刈り入れの終わった農地
深い碧に囲まれて
広く広く人の手によって切り開かれた土地
色の無い平野に
ポツリぽつりと紅い華

やがてそれは
群をなし
列をなし

畦道の両端を

艶やかに
導くかのように続く
艶やかに


曇天の中ひときわ紅く
晴天に映えて妖しく紅く
雨天の中に儚く朽ちはじめる


流れ落ちた
イロ



吸い上げ
白と朱とに朽ちはじめた中にまた紅く華開く



艶やかに迷わす
紅く群をなして惑わす
紅く列をなして導く



その先には闇が待ち受けているのかどうかもわからないけれど

真っ直ぐに天へと伸びた茎に葉は無く唯華を咲かせるだけ




いつしか山は赤く燃え上がり
果実が赤く熟れるころ

導き終えて朽ち果てる

シビトバナ








 曼珠沙華

END or DEAD ?









「この季節は嫌いだ。なにもかも緋くてあいつを思い出させる」

「そうねぇ。私は好きよ、思いだすから。」
「私は逆ね。あの子と比べてしまうから、駄目。」

「良い季節じゃないですか、食べ物は旨いし。あの方も好きっだったでしょ。」
















↓↓榊 伽欄のやっちゃいました。↓↓

何かの弾みでやっちゃった景王陽子没後百年記念曼珠沙華。


 まだ殺すかっ!