出た。あいつが出た。 * ガシャーン。何かが割れる音が響く。どうやらキッチンからのようだ。 陽子は開いていた参考書から顔を上げ、キッチンへと目を向ける。 キッチンでは六太が夕食の片づけをしているはずなのだが…… 家事全般が苦手で、特に料理はまったくといって良いほどできない陽子と違い、六太はお料理上手の奥さん(?)だ。 そんな六太が派手な音を立てて何かを壊した様子。少し気になった陽子は、キッチンへと向かった。 * 気のせいかと思った。ただ、何かの陰を見間違えたのかと。 卑怯すぎる。何気なく振り返った途端に目が合うなんて……… 思わず手に持っていた洗剤付の皿を落としてしまい、派手な音とともに割ってしまった。 でもそれどころじゃない。いっそこの音にビビッて、どこかへ去ってくれと思った。しかし、そう上手くはいかない。目と目が合ったまま固まってしまう。あまつさえ、こちらへと寄ってくるではないか!!なんだよそれ!普通、人間サマの事は怖いとか思うんじゃないのかっ!? どんどん血の気が引いていく。顔が真っ青になっているだろうことは鏡を見なくてもわかった。 * 「六太君〜?」 どうかしたの?大丈夫?と声をかけようとした陽子だが、最後まで言うことなく終わった。 手に食器洗い用洗剤の泡をつけたまま、青い顔で突っ立っている六太を見てあ然としてしまったからである。 見れば、足元には先ほど割れたであろう食器が散乱していた。 「よ……ようこぉ〜……」 小さな返事に陽子は我にかえる。 冷や汗らしきものをタラタラと流している六太へとかけよった。 「だ、大丈夫!??」 うつむき気味の六太の顔を覗き込むようにしながらたずねる。 「…ぁ……あれ……」 カクカク、ガタガタしながら六太が壁際を指した。 そこには…… 「ねずみ…?…ハムスター!!」 小さくて、もこもこしたハムスターが、クリクリした目で見上げていた。 「ハムスターがどうかしたの?」 「ねずみ……きっっ・・・き、きら、きらっ きらいーーーっっっ」 END いろいろおかしいですが… とりあえず、元ネタは孫のお食事から。身内割引っつうことで、ご勘弁ヲバ。。。 猫型ロボットっぽいかと思ったけど、動物の〇〇〇さんの彼っぽいですね。 あっ…ゆい…怒んないで………(滝汗) |