[ 過去の遺物 ]





勘弁して〜〜〜
データ飛んだぁー――





芳国



王を探すと言って何処へともなく出て行っていた、峯麒が帰ってきた。
王だという少女を連れて。まだ幼さを残すその少女は胎果だと聞き、諸官は不安がった。
だが、月渓はそうは思わない。
これで己が罪の意識から遠ざかる事ができる、と肩の荷を下ろしたような気持ちだった。


「冢宰、話しがあるんだが。」

即位式も間近となった頃。王が冢宰を呼んだ。

「人払いを頼む。月渓、お前も外してくれ。」

はっ、と返事をし礼をする。正式な礼ではなく立礼なのは、王曰く、『面倒臭いから』だそうだ。ただし、朝議など公の場では正式な礼を取っている。
月渓は、静かに退室した。



朝議にて


「冢宰、」

朝議も終わりに近づいた時。唐突に王が冢宰を呼んだ。
平伏しているためくぐもった声で返事をした冢宰は、玉座の前へと進み出る。

「月渓、お前もだ」

理由の解らないまま返事をし、冢宰の横まで進み出た。妙な空気が流れる中下を向いてしばらく待っていると、王が玉座から降りてくる気配があった。

「顔を上げて。」

先ほどより近くから声がかけられる。顔を上げた先、二人より一段ほど高い位置に、年齢の割には小柄な王の姿があった。

「冢宰、」
「はい。」

冢宰はこの先王が何を言うか知っているようで、落ち着いて肯いた。

「あなたは降格。州候をやってもらう。」
「はい。」

官達は無言のままざわめく。現在、あいている州候の席はない。月渓が呼ばれたことを考えれば…。

「月渓。」
「…はい」

混乱のためか、一拍遅れて返事をする。王がどんな宣告を下すのか、気が気ではなかった。

「そういうわけだから、恵州候を辞めて。」

来たか、と思った。王を倒すという大罪を犯した身である。新王から疎まれ、官を罷免となることは覚悟していた。いっそのこと仙籍も削除して、老いるにまかせて余生を過ごそうかとさえ思っていた。

「かわりに冢宰をやりなさい。」

月渓はそれまで伏せていた視線を上げた。王の顔を睨みつけるように見る。
官達は顔を伏せたまま、何の反応もない。

「何か、異議のある者は」

王はその場の者全員に言った。だがその目は真っ直ぐに月渓を見つめ返している。ガンを飛ばしあっていると言ってもいい。
王の決定に対して異議も何もない。ただ、月渓には疑問が残る。

「何故…」

思わず口に出してしまった言葉は、静まりかえった中に驚くほど響いた。

「何故?分からない、本気で?」

海を挟んだ隣国の王を思わせる口ぶりで

「自分で考えなさいよ。」

そう言うと踵をかえして玉座へ戻る。
足を組んで座った王は軽く手を振り、元冢宰を下がらせた。
月渓だけが一人呆然と立っている。

「ついでに。初勅を決めたわ。月渓、良く聞け。」

何か、面白いものでも見つけたような笑みで付け加えられた言葉は。

「台輔が失道した際には、お前が禁軍を率いて王を捕縛、処分すること。分かっ たか。勅令だ。諸官も邪魔だては無用だぞ。」

月渓の傷をえぐるどころではなく、新たな傷を、罪を負えという。






芳はこの先どこへ行くのか。天帝のみぞ知る。
あるいは天帝にすら分からないのか。




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反省点が多すぎです。。。何も言えません。
こんな感じでドリを書きたいです。


ごめんなさい。