「キラ、出かけようか。」 アスランが言った。 Accident beginning 「・…ハァ。」 買い物に行こうと言うからそこらの店にでも行くのかと思えば、 連れていかれたのは巨大ショッピングモール。 人ごみがあまり好きではないキラとしてはあまり足を運びたくない場所だった。 普段ならば、行くことを頑なに拒絶するキラがそこに足を運んだのは、 久しぶりにラクスとカガリに会うと言う目的が出来たから。 まぁ、落ち込んでいる自分を元気付けようとしてくれたアスランの思惑も分からなくもなかったが、 今はそんな事はどうでも良かった。 のだが。 「…ねぇ、アスラン。僕、さっきからすごく聞きたい事があったんだ。」 「何、キラ?」 「僕は、ラクスとカガリに会いにココに来たんだと思ってるんだ。」 現に、君もそう言っただろ? 「ああ、言ったな。」 「じゃぁさ、」 「何で君はさっきから僕の服を買っているのかな?」 「それは勿論、キラが着る為だろ。」 分かってるよ、そんな事。 「そうじゃなくて、ラクス達は?…アスラン?」 「…ラクス達と待ち合わせしているのはあのホテルだ。ちなみに時間は19時。 流石に私服で行くわけにはいかないだろう?」 あのホテル、そうガラス越しに指されたホテルを見てキラは溜め息を付きたくなった。 ちなみに今は16時だ。 「そういう時用の服なら僕は持ってるけど?」 「知ってる。」 「…つまり、こんなに早くにココに来て、 さっきから何度も何度も試着させられている服は君の趣味?」 「…趣味と言うと俺が怪しい奴に聞こえるじゃないか。 俺は一応、堅気なのを選んでいるつもりだが。」 「確かに堅気だけどさ…。」 「『いい加減飽きて嫌』になった?」 「分かってるんならさっさと決め、て…?」 半端に終わった呟きと共にキラの視線は店の外の通路に向けられていた。 正しくは、通路を歩く人に。 「キラ?どうした?」 「…何か視線を感じた、気がする。」 キラの言葉にアスランもそちらを向くが、特に変わったところはない。 「何も感じないが…」 「うん。…気のせい、だったのかもしれないし。」 まぁ、いいか。 その後、アスランがキラの服を決めた頃には日はとっくに落ちていた。 ---------------------------------------------------------------- むぅ。 何だか消化不良… |