「キラ?」

「久しぶりだね、フレイ。」


人で賑わう街で彼を見つけたのは本当に偶然だった。


久しぶりに会ったんだし、何か話そうか。

そう言ったのはキラで。

そのまま二人で道端にある喫茶店に入った。




roadside





ゆっくりとした音楽が流れ、落ち着けるようにと計られて配置されたテーブル。

その店の一角にキラとフレイは居た。



「凄い偶然だね、フレイ。まさか君と会えるとは思わなかったよ。」

顔に笑み。しかし、フレイはキラが全く笑ってないと知っていた。
これは、ただの仮面。

「あんたの『偶然』ほど嘘っぽい言葉は無いわね。」
何でもないように言ってフレイはコーヒーを啜る。

そのフレイの様子にキラは少しだけ、本当に少しだけ、ばつの悪そうな顔をした。



「…ばれてるなぁ」






「それで?」

「…それで?」
フレイにキラは聞き返す。

「あんたが私を誘ったって事は何かあるんでしょう?」

「頼まれてくれるの?」

「用件によるわよ。」

フレイの言葉にキラは溜息を付いた。
こうまでフレイ相手に物事が順調に進むと却って調子が狂う。

「…預けたいものがあるんだ。事情は聞かずに預かってくれると助かるんだけど。」

これだよ。
そう言ってキラが取り出したのは一枚のディスク。

「嫌よ。最低でもそれが何かは教えてもらわないと。あんたのせいでお尋ね者にはなりたくないわ。」

「お尋ね者まではいかないと思うんけど・・」

どうやら事情を話さないと本当に預かってくれそうにないフレイに溜息を付いてキラ話し出した。


「これはね…」









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「…そんなモノ何であんたが持ってんのよ。」

「それは黙秘させてもらうよ。」




「…分かったわ。預かってあげる。
 ただし、本当に私の命の危機に陥るような事になったらコレは渡すわよ?」
フレイは溜息と共に諾の返事をくれた。ただし、条件付。


「そうしてもらって良いよ。フレイの命の方が大切だからね。」
キラはフレイに頷く。



「じゃぁ、私はこれで。あ、そうそうキラ?」

席を立ったフレイの言葉にキラはフレイを仰ぎ見る。


「オーヴのお姫様とプラントの歌姫。…いつまで騙すつもり?」

フレイの言葉にキラは苦笑する。


「少なくとも騙してるつもりはないんだけどね。」




キラの言葉に「嘘吐き。」そう言い残してフレイは店を出て行った。








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えーっと、とりあえずフレイは好きです。
彼女は後から色々やってくれます。
ココでのフレイはキラの共犯者的な存在です(笑)

…まぁ、どちらかが裏切らなければの話ですが(マテ)


伏線ばっかり考えてます
本編(?)はまだまだ全然ここまで行ってません。
ちょっとだけ俗に言うネタばれ(笑)ですね、これじゃあ。