温かな光が部屋を満たし。
旧型のラジカセからはゆっくりとした音楽が流れていた。











Memory of the haunt of light.












寝転がっている自分の頭の下にある硬い筋肉のついた膝。
男らしいではないけれど、自分にはないそれを少々羨ましく思う。

んー、と意味のない声を上げて、キラはゴロゴロと寝心地の良いところを探しアスランの膝の上を転がる。
本を読んでいるアスランの事はあまり考えない事にしてゴソゴソとを動いていたキラがふと動きを止めた。
どうやら丁度良い所を見つけたらしい。


「アスラン。」
「何?キラ。」
読んでいた本から視線を落とした先には自分の膝の上でおやすみ体勢をとっているキラの顔。

「…アスラン。」
「ん?」
問いかけが意味を持っていないということは二人とも、分かっていて。
開いていた本に栞を挟み、パンとそれを閉じたアスランは本を手軽な机に置くと、キラの髪を手で梳く。
さらり、と指の隙間から流れ落ちるそれに愛しそうに目を細めた。





「月にいた時にもさ、こんな事あったよね。」
温かな日溜りの中でよみがえるのは、やはり幸せな記憶。
「あぁ。お前は宿題があったのに途中で投げ出して?」
「…何でそういうことまで憶えてるかな。」
不貞腐れて言うキラに小さく笑い身を屈めてアスランはキラの額に小さく唇を落とした。


「お前の事で、憶えてない事なんて何一つないよ。」

髪を弄っていた指が頬に下がって、アスランがキラの頬を優しく撫でる。
それにキラも擽ったげに笑って。



「僕もだよ。」


キラの笑みと言葉にアスランも微笑んだ。








暖かい、陽だまりの記憶。


















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アスキラ即興文。ただ甘さを求めました。
スランプ中につき、頑張ってます(何を)
あんまり脱出できてませんが、リハビリって事で。
短いですが、日頃の感謝とお礼を込めて嬢に奉げます(いきなり…)