「邪魔ですわ。」 果たしてそれは現実だったろうか。 プラントにて逃亡中、ラクス・クライン。 彼女は、音声でプラントに平和の姫として、訴えかけていた。 それはとても健気な姿で周りの者たちを感動させ、少なからず勇気を与えた。 しかし、ラクスの必死の演説に覆い被さるように開始されたパトリック・ザラの反対演説(違) 余りにしつこいそれにラクスが切れたのだ。 それが冒頭の台詞である。 切れた人間は怖い。 それをこれから彼ら(主に護衛の人)は身を持って実感する事となった。 「まったくパトリック(呼び捨て上等)もしつこいですわね。 いい加減になさりませんと私も切れてしまいますわ。」 まったく、そんなですから奥様と別居する事になるんですわ。 ぶつぶつと。 ラクスは呟く。しかし、しっかりと手は動き、何事かをしている。 よし、そう小さく呟くとラクスはどこから取り出したのか(この際こんな事に気を取られてはいけない)赤いボタンのついたスイッチを取り出した。 「ぽち、ですわ。」 可愛らしい言葉と共に押されたボタン。 5秒経過 15秒経過。 どっか〜〜〜〜ん!!! と言う擬音でも付きそうな勢いの良い爆発が起こった。 「らっ、ラクス様!!?」 驚いたのはラクス側の護衛である。 「なんでしょう?」 にこりと。それはもう綺麗にラクスは爽やかに笑んだ。 「一体何をなさったのです?」 その笑顔に悪寒を感じながらも、おどおどと問う。 「大丈夫ですわ。少し前に隠しておいた爆弾を爆発させただけですもの。勿論、怪我人はいません。 私がそんな事をさせる訳ないでしょう?」 ああ、爆破したのはそちらで何時までも喧しく演説なさっている方の別荘の一つですわ。 さらりと。 何でもないようにラクスは言う。 何時仕掛けたんです? とか、そんな事して良い訳ないでしょう。 とか。 言いたい事はそれはもう沢山あったが。 ラクスの笑顔を前にそんな事言える人間は居ませんでした。 完。(ごめん、これ以上は続けれません) こんな感じ。 如何でしょう? |