敵(?)を倒すためには、まず敵を知るべし。




ノールはぼそりと呟いて観察対象者ことキラ・ヤマトを壁に寄りかかり、影で見ていた。
ちょうど、休み時間だったためか、キラ・ヤマトの周りには女生徒が群っている。
キラ・ヤマトを中心として群っている女生徒から少し離れた所でそれを見ている奴らとで、人の層が二層になるというなんとも奇妙な光景だった。


授業とはまるで関係がないであろう事ばかり、先程から質問攻めになっている奴は、嫌な顔をするわけでもなく他の教師だったらまず逃げるであろう質問にも無駄に丁寧に答えていた。

質問は好きな食べ物から始まり趣味や休日の過ごし方、今朝食べた物とか言ったプライベートにまで及び、そして。






「先生って、恋人とかいるんですか?」






お約束の、彼女について。

周りの生徒が固唾を飲んで答えを待つ中、キラ・ヤマトは花が咲くように綺麗に、おまけに幸せそうに笑った。


「…うん。いるよ。」

笑みと答えに複雑そうに顔を赤らめた女子がどんな相手か聞きだそうとしていたが、俺はそんな事に気を止める事もなく駆け出した。




―――今思えば何故そんな事をしたのかは全く不可解な事だったのだが。








ハァハァと、肩で息をしながら逃げるように教室に入り込む。
膝に手を当てて息を整えようとしていると、教室で大人しく読書をしていたレイが俺の様子に気付いて駆け寄ってきた。

「ノール?どうしたの、そんなに慌てて…。
 …それに、顔が真っ赤だよ?」


熱でもあるのかと額を寄せて来るレイに、更に顔が赤くなるのを感じながら俺はさっきのあいつの笑みを思い出してなんとも言えない複雑な気持ちになってしまった。
















そろそろどんな話か忘れかけていたので思いつくままに描いてしまいました。
理科の時間に(死)
本当は日記に書くつもりだったらしく、理科の時間に小説を書き、情報の時間に日記に打ち込みと言う素晴らしき(授業放棄っぽいぞ)計画を立てていたのですが、どうやら出来なくなり、パソコンに大事に大事に保存してたのを発掘。
中途半端だったので手を加えたのですが、余計可笑しな事になったとか言う事は黙っといてやってください。

できることならば、次辺りに四人をあわせたいなぁ…