過去の小噺放置場

 BLEACH 浦原*ルキア
黒い毛並みが光を浴びて、輝いた。






Revenge of a cat.







昼下がりの温かい光と空気に触発されて、黒い猫が気持ち良さそうに、欠伸をした。……ルキアの膝の上で。

「……………。」

じっ、と浦原は猫を見ていた。目には何の表情も無かったが、今はむしろそれが恐ろしかった。
横向きになった猫の胴の毛並みをルキアが撫でると黒猫は浦原に一瞥を寄越し、ごろごろと喉を鳴らしてルキアに擦りつく。
ざまぁみろ、夜一の黒い瞳が浦原を見た。


「…朽木さん。」
「何だ、浦原。」
地を這うような低い声も気にせずルキアは未だ膝の上の夜一を撫でる。
きょとん、と不思議そうに自分を見るルキアに浦原は心中で訂正を入れた。

――これは、気付いてないんじゃなくて、分かってないんすねぇ…。

「その猫なんですけど…。」
「あぁ、こいつは貴様の飼い猫なのか?」
両手を猫の脇の下に入れ、高い高いをするように、ルキアが持ち上げる。
ブラーン、となされるがままの猫を見て、親友です、とは言えなくなった浦原は如何しましょうか、と半ば本気で考えてしまった。

「飼い猫じゃないんすけど。」
「ならば良いではないか。」
なぁ?と猫に頬擦りするルキア。
そのまま肩に担がれた猫は、ルキアの横から頬を、お返し。と言わんばかりにぺロ。と舐める。
動物らしいその仕草に、ルキアは微笑み、

「あぁ――――っ!!!」

浦原の叫び声が、長閑な昼下がりの店に木霊した。




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BLEACH小話。因みに私は浦ルキが好きです(不思議)
イチルキとか恋ルキが主流なんでしょうか?まぁ、いいや、マイナー街道突き進んでますから。
BLEACHはノーマル(ってかルキア)好きです。

訳わかんない小噺ですが、気にせぬが吉(死)

 Harry Pottar リドル*ハリー
コツ、コツと一歩踏み出すたびに響く足音。
もはや自分が今何処に居るのかという事は判らなくなっていた。
ただひたすら続く道を歩き続けるだけ。ここに来るように言ったりドルにハリーは罵詈雑言を浴びせた―――心の中で。



唐突に視界が開けた。今まで地下に通っている通路を歩いているとばかり思っていたのだが、どうやら違ったらしい。間違いなく下に降りたのだが、登る所はなく出た所は地上だった。尤も、ホグワーツの中でもそれは良くある事だったから余り気にはしない。
それより気になったのは開けた先にある、テーブルとイスとティーセット。どう考えてもお茶会の準備がされていた。そして、そのイスに優雅に座っているのは――、

「やぁ、ハリー。」

ハリーを呼びつけた張本人、トム・リドルだった。

「…何やってんの、リドル。」
「お茶でも一緒に飲まないかい?」
と言うかそのためにハリーを呼んだのだろう。テーブルにはきっちり二人分の用意がされていた。

「君が来ると信じてたからね。」
よく言うよ。そうハリーは呆れた目をする。
「親友の命を賭けられたらね。来ない訳には行かないだろ。」
だろうね、とリドルは頷く。これは、どう考えようも確信犯だ。




慣れた手つきで入れられていくお茶。それをイスに座ってハリーはぼーっと眺めていた。
「ところでハリー、君によって救われた親友は今は夢の中かい?」
「勝手に命の危機にされてたロンは健やかにお休み中。」
それがどうしたの?そう言うハリーにリドルは薄く笑う。
「いや、僕の日記に彼が好きな女の子への想いを連ねてたからね、楽しくって少々アドバイスさせてもらったよ。」
くつくつと笑うハリーは心底呆れた、と呟く。

「魔法界を震撼させた男がゴシックに興味があったとは知らなかった。」
「どこぞの傷を持った少年がつれなくて、もう毎日暇で仕方なかったんだよ。」
「それはそれは、羨ましい。僕は時間が無くて大変なのに。」
「『時間の使い方が最も下手な者が、まずその短さについて苦情を言う。』って言うモラリストのラ・ブリュイエールの言葉があったね。」
「モラルから程遠い所にいる君から道徳家の格言が聞けるとは思わなかったよ。」
リドルはつれないね、と小さく笑う。こんなやり取りをするのもリドルの密かな楽しみの一つではあったのだが。
「つられたら大変だし。」
ハリーはにやりと笑った。

「お人好しで誰にでも優しいハリー・ポッターと言って回ってる奴らに是非とも今の君を見せてあげたいよ。」
「ご心配なく。ばれるようなヘマはしてないよ。」
そう言ってハリーは人の良い笑みで笑う。

笑顔の応酬に、その場の空気が心なしか冷えた。

「まぁ、それはともかく、折角僕が直々に入れたお茶だ。飲むと良い。」
「変なもの入れてないよね。」
「それこそ要らぬ心配だよ、ハリー。大丈夫だから。」


じゃぁ、とハリーはティーカップに口をつける。リドルもそれに習った。



幾多も輝く星々と壮麗に輝く月の下、奇妙なお茶会の幕が開けた。




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私はリドハリストだと、意思表示。
最近スネハリばっかり書かされてるので、頑張りました(汗)
なんだかハリーがグレテマス(何でだろう…?)

 Fullmetal Alchemist ロイ*エド
ぐらり、と体が凭れかかってきた。



It is sweet, is sweet and is sweet!



「うわっ!」
寄りかかるように体を預けてきたロイは、その重さに耐え切れなかったエドワードと共に床に倒れた。

「ちょ、あんた何やってんだよ!?」
ロイに押し倒されて状態でエドワードが怒鳴る。

「…………………。」
無言のままロイは、エドワードの顔に唇を寄せた、が。

「――くせぇ!!」

エドワードは近寄ってきたロイから漂う酒の匂いに、使える体の部位全てを使って抵抗する。
無論、寄せられている唇にも、頭を逸らし両手で落ちてくる頭を必死に押さえつけて。

「あんた、酔ってるだろっ?!さっさと離れろーっ!!!」

しかしエドワードの叫ぶと行動を嘲笑うかのように、ロイは身軽に動いて床に押さえ付けていたエドワードの頭を挟むようにして両肘をついて、鼻の頭同士が当たりそうな距離で囁く。

「鋼の。」

声と言うより吐息に近いそれにエドワードは思わずロイの方を向く。


「好きだ。」


ロイの吐息がエドワードの頬を擽った。



「…大佐?」
真摯な視線にエドワードは吸い寄せられるようにロイの瞳を見上げる。

「愛してるよ、エドワード。」


かああ、と免疫の無いエドワードは顔を赤く染めた。
だが、意地は未だエドワードの中で健在だった。

「分かったから、どけって!!」

必死にロイの胸元を押し返すも、相手はびくともしない。
躍起になって胸元を叩く。

「エドワード。」
「・…んだよっ!!?」
一切の動きの無い男への苛立ちでエドワードの声も自然と喧嘩腰になっていた。
言葉に目を上げたエドワードは、そのまま固まる。

黒曜石のような瞳が先程よりも、更に近くにあった。


その瞳に囚われたように動かなくなったエドワードにこれ幸いと、ロイは、今度こそ唇を落とした。




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何がしたいかと申しますと、取りあえず私だって酔いたいよ、てな事です(何)
ワイン(赤)飲んで、チューハイ飲んで日本酒飲んでさらには焼酎まで飲んだと言うのに(ビールは嫌いです)一向に酔う気配の無いこの体。誰かどうにかしてください。ブランデーにでも手を出そうか(ヤメロ)





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